利益は結果か?目標か?

【 経営の格言 】
☑ 利益は、企業や事業の目的ではなく条件なのである。(P.F.ドラッカー)
☑ 社長の関心のまず第一は、事業を存続させるために必要な”最小限利益”でなければならない。(一倉定)

【 本日の結論 】
目標利益を設定して、その達成のために周知を集め、安定成長を目指しましょう。

会社が利益を出すと、
法人税や住民税を納めなければなりません。

懸命に売上を上げて、コスト削減に取り組み、
やっとの思いで計上した利益に対して、
約30%も税金を取られるのは面白く無い!
何とか税金を減らしたい!
その気持ち‥。よく分かります。

私も会計事務所に勤務していた頃、
中小企業の経営者の皆様から、
「このままだと利益が出てしまう‥。」
「なんとか利益を少なくする方法は無いか‥。」
という相談を何度も受けました。

しかし「会社を成長発展させる」という視点からは、
別の見方もできそうです。

経営に浮き沈みはつきものです。

毎年順調に受注を受けていた取引先だったが、
突然の仕様変更があり、
今後大幅に取引量が減る見込みとなった‥。

台風や地震で工場が被災し、
生産復旧までの見通しが立たない‥。など、

売上が大幅に減る見込みでも、
確実に固定費はかかりますし、
もし借入金があれば、
返済資金も必要です。

その様な将来のリスクに備えるため、
例えば、
「社員一人当たり年間100万円程度の利益を残したい!」
と考えたとしましょう。

税引前なら142万円程度(100万円÷70%)の利益があれば、
仮に30%税金で取られても、
100万円位の利益が残る計算になります。
(142万円-142万円×30%=100万円)

そうすると、
仮に社員10人規模の会社なら、
142万円×10人=1,420万円の税引前利益、
分かりやすく、1,500万円の税引き前利益
を目標にしてもいいかもしれません。

10人規模の会社で、
1,500万円の税引前利益は結構ハードルが高い‥、
とも考えられそうですが、

目標利益を掲げて「目指す」会社と、

(1年間の結果として)残った利益が○○円‥。
税金を払いたく無いから、何か使いみちは無いか‥。

という会社では、
数年先には大分違った会社の姿になるのではないでしょうか。

目標利益を設定して、経営目標の一つに組み込む。
その達成のために具体的な施策に取り組む。

大切な考え方だと思います。

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