能力を未来進行形でとらえて営業する

商工会議所や金融機関からの依頼で業績が厳しい企業を訪問させていただくと、特にBtoBのビジネスを手掛けている小規模企業で、既存の取引先が徐々に減って業績が悪化してしまった…。というケースが多いです。

端的に言うと、危機感はあったが…、新規の営業活動を本気でやって来なかった。そして業績が悪くなってきていることは知りつつも、時間だけが過ぎてしまった…。というケースが多い気がします。

新規の営業を行うには、自社の強みや特徴をアピールしたり、自社のできることを説明する資料を準備したり、取引の可能性のある会社との接点を模索したり…、問い合わせがあったら提案の準備をしたり…と、特にこれまで営業の仕組みが出来ていない会社にとってはなかなか大変です。

かつては既存の取引先からジャンジャン仕事が来る状態で、それに対応していれば仕事が回っていたという企業にとっては、特にハードルが高いし、不安も先立ち、二の足を踏むケースも多いようです。

先日京セラの稲盛さんの講演テープを聴いていたら、こんな趣旨の話がありました。(私が覚えている内容で若干正確性に欠けるかもしれません。)

「能力を未来進行形でとらえる」という表現でお伝えしているが、自分は昔、実績の無い中小企業が作った製品をなかなか買ってもらえず、必死にアメリカで売り歩いたことがあり、その時はとにかく売上を上げることに必死で、技術的には相当ハードルの高い案件も受注し、必死で製造したことがあり、それを後から振返ってあのような表現で説明している…、という趣旨だったと思います。

ルーチンワークで生業を稼ぐのが日々の会社運営の基本になり、その中で自社の強みを磨き続けることが大切ですが、その前提として、そもそも経営者が気概を持って(あるいは強い危機感を持って)、自社の可能性を拡げるための活動に舵を切らないとなかなか業績は上向かないようです。特に「コロナで…」という言葉(言い訳?)が通じやすい世の中ですので、逆に気を付けたいところです。